年始に、TSUTAYA BOOK STOREの教養新書ランキングで、「ケーキの切れない非行少年達」という書籍が1位になっていました。
手に取って読んでみたところ…すんごい衝撃…。
…軽度知的障害と境界知能について初めて知りました…。
軽度知的障害と境界知能とは?
- 軽度知的障害:IQ50~70程度。重度や中程度と違い、普通の人に見える。
- 境界知能:IQ70~85程度。知的障害ではないが、支援が必要な場合がある。
IQの平均が100なので、それよりも低い数値です。
また、普通の人達と見た目が一緒で、区別がつきにくいそうです。
そのため、本人も気づかず、支援されにくい傾向があります。
より詳しくは、以下の参考URLで。
非行少年と軽度知的障害の関係
本書によると、どうやら非行少年達の中に、これら軽度知的障害や境界知能の人が、ある一定数存在するようです。
もちろん、全ての人ではなく、非行に走らない方もいますのでご注意を。
こういったタイプの方は、認知機能に問題があり、計算・思考・理解・言語・判断などがとても苦手です。
その他に指摘されている点としては、
- 所得が少ない
- 片親が多い
- 感情がコントロールしにくい
- キレやすい
- 栄養不足
- 人間関係を維持しにくい
- 支援がないと問題を起こしやすい
…などなど。
こういった特徴があると、自信がない方も多く、対人スキルと感情のコントロールが苦手なため、非行に走ってしまいがちだそうです。
また、虐待をしてしまう親にも、同様の特徴を持っている人達が一定数いるそうです。
…そういえば、私が十数年前に会った人に、こんなタイプがいたような気が…。
非行少年の解決策は…?
本書の著者は、児童精神科医の方なのですが、問題は「認知機能」にあると指摘しています。
そのため、非行少年の解決策として、「認知機能の改善」をすべきと主張されています。
従来の褒める教育とか、とにかく話を聞けばいいか、罰して反省させるような方法では解決できないようです。
覚せい剤や麻薬をやってしまう方を罰するのではなく、治療すべきという意見がありますが、それと似た感じですね。
少し話しがそれますが、軽度知的障害の方が通える高校もあるようです。
今後の非行少年や、社会問題の解決につながりそうな本だったので、今回紹介しておきました。
軽度知的障害や、境界知能の人達が侮辱されず、理解されればいいなぁ…と思っています。